風味の劣化とは

コーヒーの風味の劣化とは?

 前回、購入時は豆か粉かというトピックで紹介したので、どのくらい違いが出るか試してみました。
 挽きたての豆と、挽いた豆の4日後、7日後、10日後と時間が経過したものをドリップコーヒーで飲み比べます。

 挽いて4日後はあまり違いを感じませんでしたが、7日後は明らかに香気成分量が少なく、10日後は体感的に(実際はもっと少ない)1/3程に香りが減ってました。しかし、味自体は悪くなっている印象はありませんでした。
14日後は、時間の経った方だけを飲みました。単体で飲んでしまったので、挽きたてとの香りの比較が出来ませんでしたが、味は良く日が経っていても美味しく飲むことができました。
 挽きたてが一番香りが良いのは至極当然ですが、挽いて時間が経った方は香気成分量の減りは早いが、味には影響せず、挽き立てと比べなければ時間が経っていても美味しいというところでしょうか。

 では、風味の劣化とは、コーヒーが古いとは、どういうことなのでしょうか?

コーヒーの賞味期限

 コーヒーの賞味期限をよく聞かれますが、包装形態にもよりますが、コーヒーの協会で定められている賞味期限は1年半です。
 コーヒー豆は水分をほとんど含まないので、保存状態が良ければ1年半以上経っても飲めないことはないと思います。しかし、それだけ時間の経ったコーヒーが美味しいかはわかりません。
 風味の劣化とは、ある一定の期間を過ぎると飲めなくなる状況です。1年半も置いたままにする方はほとんどいないと思いますが、「飲めない味」には個人差があるので、答えとして賞味期限には個人差があると思っています。「いつまでに飲まなければならないか?」と、聞かれたら1年半と答えますが、飲みきるまでの保存状態で味に差がでると思います。

古く飲めない味とは

 古くなった飲めない味とはどういう味かなのでしょう?苦すぎて、酸っぱ過ぎてコーヒー自体が飲めないという条件を除けば、よく言われているのが酸化したコーヒーです。
 空気に触れたまま放置していると、コーヒーの油脂成分が酸化して、推論として異臭の原因と味の劣化と思われる味になります。どのくらい置けば酸化するのかは、温度や湿度、酸素や紫外線の量などで変わります。逆に酸化する要因さえ取り除けば 保存性が良くなります。(酸化する要因を取り除く方法は、ネットで検索すればブログや説明動画が沢山出てきますので、そちらをご覧ください。)

保存は冷凍、冷蔵、常温?

 コーヒーの酸化のほかに、保存は冷凍か冷蔵、常温のどれが良いかというトピックをたまに見かけます。
 一定期間飲む予定がなく、脱気してある状態なら冷凍が良いですが、当店では毎日コーヒーを飲む方には常温を勧めています。なぜなら、上で記した通りコーヒー豆は水分をほとんど含まないので、冷凍庫や冷蔵庫から出し入れする度に結露した水分や、庫内のニオイをコーヒー豆が吸収するからです。

 このように、コーヒーの油分の酸化や温度、湿度などの保存状態 に気をつけることで、比較的長い期間美味しいコーヒーを楽しむことができると考えています。